引張ばね(引きばね)
機械ではできない引張ばね(引きばね)の難加工に挑みます。
「φ10の太い引張ばねを製作したい」「加工が難しいため他のばねメーカーで断られた」そんな難加工の引張ばねの製作、お任せください。岩津発条製作所は熟練の職人が揃い、規格外の特殊なばねや、機械での加工ができない引張ばね(引きばね)の手加工を得意としています。
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猟具(猪罠)用の引張バネ(押し引きバネ)
引張ばねとしてのはたらきをしますが、中が圧縮ばねになっているため、最大限に引っ張っても、バネの応力が振り切れて弾性がなくなるということがありません。
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薄く編み込み型にした自動車バッテリー部品の引張ばね
線材曲げ加工品に見えますが、薄さを確保するために、編み込み型にした引張バネです。
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専用ガイドと加工の工夫で工程を自動化する試み
自動機では厳しい加工を自動化するべく、ラジアルスプリングの製作実績等を活かしたチャレンジです。
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全長1m20cm、電線・ケーブルの保護スプリング
硬い鋼線で外部のダメージから電気配線を保護し、ばねのフレキシブルさにより内部での破損を防ぎます。
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フックの線径をコイル部分より太くして強度を高めた両絞りの引っ張りばね
コイルの線径が3.2mmに対して、フックの線径が4.5mmと、強度を高めるためにフック部分とコイル部分で別々の線径を用いました。
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異形線(平線)の引っ張りバネ(ハンドツール用)
狭小スペースで大きなストロークを得るために、異形線(平線)を採用しました。
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フック部がコイル状の引張ばね(変形フック)
フック部が数巻きあることで、フック部に挿入する丸棒等の“振れ”を抑制できる設計になっています。
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撚線(より線)を用いた鉄道車両用の引張ばね
復元性の高い撚線を芯金ごと熱処理して対応しました。
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線径の細い、逆丸フックの引張ばね
手作業での製作となりますが、岩津独自の治具「環立て」を使用することで、高品質かつ短納期を可能にしました。
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取り付ける部分に合わせてフック部を製作した引張ばね
コイル部に対して垂直にネジ止めしたい場合などに採用されます。
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脱落防止用の緩衝ばね(噴霧器部品)
引張ばね、トーションばね、リングの3つが組み合わさって一つの緩衝ばねとなります。
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医療機器用の斜め丸フックの引張ばね
インチ単位の製品(海外仕様)をミリ単位で実現しました。他のばねメーカーでは敬遠されるようなばねです。
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最大限の初張力を得るように工夫した異形線(平線)・半丸フックの引張ばね
巻き方や熱処理の温度を工夫することで要望を実現しました。
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耐久性が高い両絞りフックの引張ばね
強く引っ張っても破断しにくい引張ばね。フック部の線径をばね部の線径より太くできるメリットもあります。
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難加工かつ量産を前提としたD/d≒2の細長いコイル
自動機では加工できず、加工に職人の手を3人も要する難加工の逸品です。
ばね屋に相談!引張ばねの、これできる?
「耐久性を上げたい(破断を防ぎたい)」「省スペース化したい」「特殊な形状にしたい」…
様々な声が寄せられますが、その中でもとくに多い引張ばねのご相談内容をご紹介いたします。
引張ばねの耐久性を上げたい
岩津発条製作所なら…
コストは上がりますが、両絞り+別フックがお勧めです!
短期間で引張ばねが疲労してしまうのを解消したい。
ばねの疲労を引き起こす原因はいろいろありますが、この画像のばねは胴体の線径が太く強いため、一体型のフックでは破断が生じやすい構造になっています。そこで、端を両絞りにし、別フックを挿入、フック部の線径を胴体よりも太い線径(φ3.5)を使用することで、耐久性を大幅にアップさせました。
隙間を作らずに、初張力をなくしてほしい。
岩津発条製作所なら…
多くの場合、設計と材料の工夫で対応可能です!
各コイル間に隙間を作らずに、初張力をなくしてほしい。
通常、初張力をなくすためには、各コイル間に隙間を作るピッチ巻を行います。今回の例では「各コイル間に隙間を作らずに」とのことでしたのでピッチ巻の代わりに、材質をピアノ線から、ほぼ初張力のつかないオイルテンパー線に変更することを提案し、初張力をなくしました。(※オイルテンパー線は鍍金すると、(他の鋼種に比べて)水素脆性が著しく発生するため、表面処理を塗装にしました。)
引張ばねの破断を防ぎたい。
岩津発条製作所なら…
荷重のかかり方に応じた、応力に余裕を持たせた設計が重要です!
ばねを弓なりに引っ張るため偏心荷重がかかるせいか、胴体部分が破断してしまった。
今回のばねは、設計を見ると、応力限界付近で使用する引張ばねであり、それが破断の一番の原因でした。 そこで、線径:φ0.45、コイル外径:φ3.1+0/-0.1を+0.1.-0と、ほんの少し外径を大きくすることで応力をクリアし、破断を防ぎました。
省スペースで“たわみ”を得たい
岩津発条製作所なら…
有効巻数と初張力、フックの形状で調整します!
荷重ゼロ時のばねの長さは変えられないが、荷重を加えた際のたわみをもっと長くしたい。
普通の円形のフックではお客様の希望の短さに収めることはできませんでした。そこで、半円のフックにすることで、コイル部分の長さを増やして荷重を得て、かつ希望の短さに収めることができました。また、たわみは初張力の影響も受けるため、初張力の調整も行いました。
引張ばねのコイル両端の形状を工夫したい
岩津発条製作所なら…
自動機で無理なら、専用治具と職人による手加工の出番です!
よくあるようなフック部分ではなく、取付箇所に合わせた特殊形状にしたい。
自動機では不可能でしたので、手加工にて実現しました。手加工=高コストになりがちですので、極力加工工程を削り、少ないコストで加工できるような工夫をしました。その際には設計面で仕様変更すればコストダウンできるところもございますので、お気軽にご相談いただければと思います!
私たちが得意とする引張ばねの難加工
引張ばねは材料ごとに異なる初張力や、コイル部分の応力も配慮した設計が求められます。岩津発条製作所では設計の提案・アドバイスから、手加工による対応までいたします。
- 線径φ0.2~13.0 (設計次第でφ0.2以下、φ13.0以上もお引き受け可能です。ご相談下さい。)
- 脱線巻き(高初張力)
- 疲労しにくい
- 耐熱・耐食性が高い
- 初張力0
安心してばね製作をお任せいただける品質管理体制
ばねの品質は材料・設計・製造工程が重要です。信頼のおけるメーカーの材料だけを仕入れ、QC工程表に基づき品質管理を徹底。安心してばね製作をお任せいただけるように取り組んでいます。
また、ミルシートの提出や環境対応素材の使用などのご要望にもお応えできますので、お気軽にご相談ください。
引張ばね(引きばね)の
設計相談や試作から承ります。
特殊・精密な引張ばね(引きばね)の製作や難加工は、私達にお任せ下さい。治具・金型内製率99%だからできる、フレキシブルな対応で、皆様の「ほしい引張ばね」を1個から製作いたします。また、最適な製品ができるよう設計など技術面のアドバイスや、製作後のアフターフォローも行っています。