ばねの材質・サイズ・加工について

SWP-A（SWRS）、SWP-B（SWRS）

高強度金属材料の代表品種。均一・精巧・美麗な仕上がりで、自動車をはじめ、各工業製品の重要箇所に使用されている。

ピアノ線を使用したばね製作・線材加工事例

SWA、SWB、SWC（SWRH）

ピアノ線の製造技術を基に生産された。
雑貨から自動車・エレクトロニクスまで、幅広い分野で採用される。
応力の低いばねなどでは、ピアノ線よりもコストメリットが大きい。
ピアノ線は最大径φ10に対し、SWC（SWRH）はφ13までカバーできる。

硬鋼線（ばね鋼）を使用したばね製作・線材加工事例

SWOSC-B、SWOSC-V

油焼入・焼戻しを施し、組織を均一にし、高抗張力・高靭性を有する。
自動車のエンジンの弁ばね等が代表的。 ただし酸洗いやメッキは不可で、発錆環境にも弱い。
また、引張ばねなどでは初張力を得られないので注意が必要。

オイルテンパー線を使用したばね製作・線材加工事例

SUS304-WPA、SUS304-WPB、SUS316-WPA、SUS430、SUS631

SUS316は耐食性に優れ、また非磁性材である（SUS304は弱磁性）。 ただし、引っ張り強さはWPAまで。 SUSは、各メーカーとも、用途（耐食・耐熱・光沢・高強度等々）により、様々な品種をラインナップしている。

ステンレス鋼線を使用したばね製作・線材加工事例

PBW

導電性・熱伝導度が高く、非磁性。 化学的腐食に強く、メッキ・ハンダ付けにも向く。

リン青銅を使用したばね・線材加工品事例

β-チタン、DAT51

硬さとしなやかさを併せ持ち、金属疲労を起こしにくい。 耐食・耐熱性に優れる。

チタンを使用したばね製作・線材加工事例

SWRM、SS、SGD

精度や強度にばらつきが出やすいため、ばねへの加工が難しい素材。
ステンレスや銅等と比べると見た目は美しくないが、その分安価である。

鉄を使用したばね製作・線材加工事例

CuH

導電性に優れ、ばね性を持つ材料もある。C1100W-H（タフピッチ銅）、C1020W-H（無酸素銅）等がある。

銅を使用したばね製作・線材加工事例

硬鋼線（ばね鋼）やピアノ線に、表面処理（ニッケル・亜鉛）を施してある材料。端部切断面は母材がむき出しになるので注意が必要。

めっき線を使用したばね製作・線材加工事例

NS

耐食性が強く、その美しい見た目から装飾用途の線材に広く用いられる。
また、強度・弾性に優れ機械的性能も高いため、高精度が要求されるばね材としても使用する。

8K、24K

柔らかく機械的性能が低いため、ばね材としては不向きである。最大の特長はその高級感であり、装飾用途の加工品に用いられるほか、工業分野ではメッキや電子部品等への加工が主である。