材質:純チタン2種(TB340HR)
線径:3.0mm

  • 横弾性係数は一定に収まらないことが分かりました
純チタン2種(HR材)の横弾性係数は材料次第であることが判明しました

こちらの逸品は、純チタン2種(HR材)のコイルです。以前紹介した純チタン2種(HR材)の横弾性係数を算出しましたという内容とは反する結果が分かりましたのでこちらで紹介させていただきます。

“今回の材料”の横弾性係数は約35000N/mm2ほどであることが判明

以前、純チタン2種(HR材)の横弾性係数が約24000~25000N/mm2であることを割り出しましたが、
実はすべての純チタン2種(HR材)がそうであるとは限らないという結果が判明しました。

そもそもHR材というのはチタンをバネ用として硬化させて作られたものであり、その横弾性係数はメーカー側が担保するものではない、という前提でしたので多少のばらつきはあるものと思いましたが、まさか約35000N/mm2というバネ用チタン合金(DAT51)の30400N/mm2よりも上の数値を叩き出すとは思いもよりませんでした。

横弾性係数 = 24000~25000N/mm2前提の設計を軌道修正し、最初からやりなおすことに

金型を使用せずに曲げたステンレスパイプ

横弾性係数=約24000~25000N/mm2の前提で設計してしまいましたので、いざ出来上がった試作品をテストしてみたところ、全く予想の荷重から外れてしまっていました。

材料が予想より大幅に硬かったため、そこで巻き数を増やすようにして荷重を抑える必要がありましたが、許容できる密着高さの兼ね合いもあり、単純に増せばよいというものでもありませんでしたが、何とか再設計を行い、要求の荷重を得ることが出来ました。正直、冷や汗をかきました。

余談ですが、今回「思い込みは勘所を鈍らせる」という教訓を得ることが出来ました・・・

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