材質:SWP-B(SWRS、ピアノ線)
線径:3.0mm×3.0mm
- 線の断面形状とピッチ間隔を工夫しました
こちらの逸品はバネとしての利用ではなく、別のもの(金属性薄板をスパイラル状に巻いたもの)作るための治具として製作しました。
【使い方】このコイルの隙間に薄板を挟むようにして沿わせ、軸を回転させて巻いていく
まずこちらのバネの用途ですが、左図のように、回転軸(芯金)を取り付け、それからコイルの隙間に薄板を挟み込んでセットし、この隙間に沿わせるように薄板を送っていく「ガイド」のように使います。
そうすることで、コイルの形状に合わせた薄板のスパイラルが出来上がるという寸法です。
原理としてはこの通りですが、実際には超難加工です。
薄板の巻き始めの力のかかり方の調整と板を送る速度が、強すぎても弱すぎてもだめで、薄板がこのコイルに沿って正しく回転する範囲を見極めることが重要となります。
正方形の角線ではなく台形状の異形線を前提に設計
四角形断面の材料は巻き取ると“内径が膨らみ、外径は縮む”という特性があります。
したがって、その誤差を調整するために材料の断面が正方形の角線ではなく台形状の異形線を用意し、最終的に3.0mm×3.0mmの正方形の性質をもつコイルに調整されるよう、設計をしております。
コイルの隙間間隔や線材の大きさを変えることで仕上がりを調整
このコイルの条件を変えることで、薄板スパイラルの仕様も変えることが出来ます。
主要条件としては以下の通りです。
・コイルの隙間=板の厚さ
・線材の大きさ=ピッチ間隔
・コイル内径=スパイラルの内径
それぞれ要求事項に応じたコイルを作ることで仕上がりを調整することができます。
岩津発条では、治具を内製することで、一見できないと思われる仕様でも製作できる可能性を広げます。設計や難加工に関するご相談はぜひお任せください!