材質:SUS304-W2
線径:9.0mm
- 外観が傷つかないよう工夫して加工
こちらの逸品は外観の傷がつかないようにしたいというお客様からの要望があり、加工の仕方を絶妙に調整してできるだけ少ない傷で製作した逸品です。
外観が傷つかないよう工夫して加工
曲げ加工で取られる選択肢として、プレス加工やベンダー加工がありますが、プレス加工は金型による傷を避けることはできず、今回の要望には沿わなかったため、ベンダー加工でできるだけ傷がつかないように工夫しようと考えました。ただ、ベンダーでの曲げ加工は、治具で固定してベンダー加工機で「突く」という工程が発生する以上、どうしても治具で固定した部分と突いた部分に傷がついてしまいます。
そこで、岩津発条では、材料を少し長めにとっておいて、Rから少し離れたところを突き、突いた際に傷がついた部分はカットしてしまうという方法を取りました。Rから離れたところを突くとRと寸法がコントロールしにくいというデメリットはあるものの、今回の条件に限っては運良く曲げることができました。また、治具で固定した部分はほんの少し傷がついてしまうものの、お客様とのすり合わせの上問題ないとのことでだったので、この方法で加工を行うことができました。
外観の傷を後から目立たなくする手段としては、曲げた後に電解研磨をする方法もありますが、その場合+αで費用がかかってくるため、今回のように加工時点から傷がつかないようにできれば費用も抑えることが可能です。
条件によっては難しい内容でしたが、今回はお客様の要望と加工内容が噛み合ってうまく解決することができました。このようにお客様との密な相談と加工のひらめきによっては難しい加工も実現可能かもしれませんので、ぜひ一度お問い合わせください!