材質:SUS304-WPA
線径:0.5mm
- 伸直線を使用
- 自動機で成形できる範囲で最大限の利便性を追求
こちらは、一般の方が化粧品(マスカラ等?)の細長い容器を掃除する棒として利用するものです。
製作ポイントは2つ。①直線部分の品質安定のため伸直線を使用したこと ②利便性を追求する形状を設計したこと で、使い勝手とコストを最大限考慮した逸品です。
ポイント①直線部の品質安定のために伸直線を使用
伸直線はその名の通り真っ直ぐな性質を持つため、長い直線部でも”反り”が無い少ないという点がメリットです。
一般的なコイル材を使う場合、線径に対して直線部分が長いと、どうしても癖が出てしまい、真っ直ぐにならず、また、コイル材を直線に加工するコストもかかります。
なお、多少のへたりが許容されるような用途であればより安価なコイル材を採用することも考慮しますが、今回の逸品は細長い容器を掃除する棒として一般の方がそのまま使うとのことで直線部の品質を高精度で安定させる必要がありましたので、SUS304-WPAの伸直線を採用することになりました。
ポイント②コストをかけずに利便性を追求する形状
コイル部分は、ご覧の通り円錐状になっています。
円錐状になっている理由は、見た目や持ちやすさではありません。
実は最初からこの円錐状だったのではなく、初期設計段階ではこの部分はごく普通の円筒状のコイルでした。
しかし、円筒ですと、例えばテーブルに横向きに置いた際、転がっていってテーブル等から落ちてしまう可能性があり、さらに小さいので、気付かず踏んで怪我をするかもしれない、という課題が浮上しました。
それを解決するために、改良案を用意いたしました。
案1はそもそも転がらないように直線部を外に出す、という案です。使い勝手的には良いと思ったのですが、見た目が少し良くないですね。それを考慮したのが案2です。転がることは転がりますが、円錐状ですので、その場でぐるぐる回るだけになります。これでテーブルから落ちる可能性は低くなります。
ただし、円錐の径の差が小さいとぐるぐる回る範囲も大きくなるため、テーブルの大きさ次第で落ちてしまうので、円錐の径は自動機でできる範囲で限りなく大きくするように設計しました。コストをかけずに性能アップ出来る限界を狙った設計です。
これにより、先方様もご満足いただけたようでした。
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