材質:β-チタン
線径(左):0.8mm
内径(左):1.0mm
D/d(左):1.25

線径(右):0.9mm

・(左)芯金に特殊鋼を利用することで細い芯金でも負荷に耐えうるように工夫
・(右)複雑形状を自動機で一発成形

芯金の材質を工夫して小さすぎるD/dに対応した逸品(左)と自動機で一発成形した逸品(右)

左:芯金の材質を工夫して小さすぎるD/dに対応した逸品

芯金の材質を工夫して小さすぎるD/dに対応した逸品

こちらの逸品は内径=1.0mm、線径=0.8mmとほとんど差がありません。一般的にはD/dが4~22の範囲でないと加工が難しいと言われている中、D/d≒1.25と非常に条件が厳しい難加工品です。

芯金の材質を工夫して小さすぎるD/dに対応した逸品

この逸品の難加工たる所以は、D/dが小さいと巻く際に大きな力を加えなければならないにもかかわらず、内径が小さいため1.0mmより細い芯金を使用する必要がある点です。 通常の材質の芯金を使用すると負荷に耐え切れずポキっと折れてしまいます。

そこで、岩津発条では芯金の材質に特殊鋼を使用することで対応しました。特殊鋼は高価なため、量産の場合に適切です。量産していく中で芯金が摩擦で擦り切れて径が変わってしまうことを防ぐため、一定の間隔で芯金のチェック・点検・交換を行うことも欠かしません。

今まで一般的に加工可能と言われているD/dの範囲外のバネを多数加工してきたことから、こういったノウハウは多数ございます。D/dが小さすぎるなどと他社に断わられた方はまず一度ご相談ください!

右:自動機で一発成形した逸品

こちらの逸品は密着部分が存在するにもかかわらず自動機で一発成形を可能にしました。

自動機で一発成形した逸品

自動機で一発成形した逸品

自動機は基本的に一筆書きの要領で加工するため、密着部分の加工が不可能です。しかし、自動機を改良して、上図のように線材を巻き終わった後に芯金を抜いて根元を両端から突いて密着させることで実現しました。

岩津発条では、自動機を元々の機能のまま使用するのではなく自社で改良を加えることを得意としています。
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今回の逸品のように、一見手加工が必要なものでも工夫次第で自動機で一発成形可能な場合もあり、コストを抑えることができますので、ぜひご相談ください!

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