材質:SWM-B
線径:3.5mm

こちらの逸品は旋盤で加工したものです。治具づくりのための旋盤が役に立ちました。

旋盤で加工した線材曲げ加工品

旋盤で加工した線材曲げ加工品

前提として、お客様からは上図の赤枠の部分だけを試作して欲しいと言われていました。(しかし、それは物理的に不可能でした。)

何か良い方法はないかと考えていたところ、「とりあえず、ねじってみよう」というシンプルな発想から旋盤の回転部に線材の真ん中を固定して、直接ねじることにしました。

旋盤で加工した線材曲げ加工品

線材を二つ折りにしただけではうまくねじれないため、中心部分に輪っかを作り、Y字の腕の部分を作成しておき、その腕の直線部分を職人の筋力と根性で固定することで芯がまっすくでがたつきなくねじることが可能となり、意外にもうまくいきました。今回記事に掲載している写真は試作のものですので少々加工が粗いですが、実際の製品は巻部分が綺麗に揃っています。

旋盤加工の後、納品に不要な輪っかの部分はねじった後にカット。
旋盤が回転する中、両端を手で支えるのはなかなかの力技ですが、岩津の職人はこれくらいのことは耐えうるガッツがあります。試作用に専用の金型や機械を用意するにはコストがかかりますが、岩津ではできるだけコストを抑える工夫をしています。

岩津発条では加工に必要な治具を自社で製作するための工作機械が一式揃っており、それらをバネに利用しようとする発想ができたこと、それをすぐに試せる環境であったことがこの逸品のポイントです。
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コストを抑えて試作をしたい方や、他社で断られた加工をなんとか実現したい方、ぜひ岩津発条はお気軽にご相談ください。

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