材質:SWP-B(SWRS)
線径:0.4mm
平均径:Φ40
こちらの逸品はD/d≒100かつコイル平均径の公差±0.2の難加工品です。
一見シンプルで簡単な加工に思えますが、バネ屋にとっては、実はこういうリングこそ難しいです。
D/dが大きすぎるため当然自動機は不可。手巻きでは、スプリングバッグによる径のばらつきを抑え公差内に収めることが至難の業となるため、熟練の職人の技術をもってしても、調節が非常に難しくコストが高くなることがネックでした。
なんとかコスト削減することはできないかと思い長年の経験のもと工夫と試行錯誤を重ねてみたところ、外径のばらつきを抑えながらD/d≒100、公差±0.2の要望を叶えることができました。コイリングによって巻き上げた後一巻きずつカットしていく方法で、コイルを一巻きずつ切り取る際に発生する歪みも熱処理で調整。自画自賛で大変恐縮ではありますが、もはや言葉では語れない、神業といってもいいでしょう。
余談ですが、スナップリングは使用用途によってはコイル平均径による公差管理ではなく展開長での公差管理で問題ない場合が多いため、展開長での公差管理に切り替えることでコストを削減することも可能です。(今回はコイル平均径の公差管理で問題ありませんでしたが・・・)
岩津発条では、職人による長年の経験を生かし、難加工でもコストを抑えた製作に挑戦しています。お気軽にご相談くださいませ。