材質:SUS304-1/2H
線径:φ4.0
こちらは片面が面取りされた線材加工品です。
片面に面取りが施されているため、まず自動機での加工は不可能です。
こちらの加工品、実は一回の工程で巻き終えているのです。
その理由としてがSUS304-1/2Hという材質です。
試作段階ではSUS304-WPBで加工を試みましたが、材質が硬すぎたため、
巻き終えたときのスプリングバックが大きくなってしまい精度を保つことができませんでした。
後から調整をかけた場合でも、工数が増えることはもちろんのことフック部分のRが変形し、
綺麗なRで加工することはほぼ不可能です。
そのため、WPBに比べ柔らかい材質であるSUS304-1/2Hを選定したことで、高い精度で加工ができました。
材質の選定、加工技術とどちらも職人の経験値・技術を要した逸品であり、
バネの難加工を一筋としてきた岩津発条の職人だからこそできた逸品でした。