材質:SWC(SWRH)
線径:φ0.7
自動車のバッテリー部品の狭いスペースで使用されるバネです。
一見、線材曲げ加工品に見えますが、薄さを確保するために、編み込み型にした引張バネです。
こちらのバネはなんといっても、この曲げ工程数の多さが特徴です。
ねじれがひどく、取付スペースに合う薄さにすることが非常に難しいです。
岩津発条では、ねじれをなくす独自の曲げ加工法を開発し実現しました。
ねじれの原因を解明する必要があるため、職人の腕が光った逸品でした。
また、先方から編み込み型のご依頼でしたが、バネの特徴をよく考慮された形状でした。
薄さを確保するのであれば、ジグザグ型に加工すれば、更に薄く加工することはできます。
また、曲げ工程数も編み込み型に比べ、非常に少なく加工も楽です。
ですが懸念点としては、バネを広げた際にR部分に応力が集中するため、バネの折損など短命化に繋る恐れがあります。
そのため、バネが巻き込む方向にクロスさせ、応力集中を防ぐ設計となっています。
こちらの引張バネは現行存在する自動機では量産は難しく
今後は、自動機に搭載できる形状を更に模索することが必要となります。