材質:SWP-B(SWRS)
線径:φ3.0
リング内径:φ400
展開長寸法公差:1020±1.0
このワイヤーバンドは、D/dが非常に大きく、それが最大の難加工点でした。
そのため、内径公差等での管理は困難なため、展開長で公差管理を行い、製造しました。
このように、切り口の幅が広いリングは、隙間が狭くなる方向(つまり、内径が小さくなる方向)に使用すると、
力が上方にはたらき、極端にいうと、両端が涙型になり、先端が嵌合物(かんごうぶつ/はめあい・ぶつ)に入らなくなる場合が少なくありません。
そうならないためには、お客様との密に打合せを行うことが重要です。
このワイヤーバンドは、熱処理前に両端切断面の反対側のRを少し大きくすることで、先端が嵌合物に入らない、という不具合が起きないようにしました。
圧縮・引張・トーション等のバネが一般には“バネらしく”思われ、難しくも思われがちですが、バネ屋にとっては、実はこういうリングが最も厄介なものであります。