材質:SWP-A(SWRS、ピアノ線)
線径:φ1.0
受注ロット:100,000個
このトーションバネの難加工ポイントは、先端曲げ部分が非常に短いところです。
このバネの加工方法は、
(1)線材を規定の長さに切断
(2)コイル部を成形
(3)先端曲げ部分を成形
という、3工程で加工しており、特に工程3の加工が難所となっております。
というのも、まず線材を先に切断しているため、先端から曲げ部の長さは非常に短く、尚且つコイルに近い部分を曲げるため、とても曲げ難いのです。(この部分を指で曲げることを想像していただければ、難しさが伝わると思います。)
このような狭いスペースで、曲げツールの位置・タイミングを微調整することで、加工を可能にしました。
金型のセット・調整が少しでもずれると、公差を超えてしまい、後から微調整することは不可能です。
少し長めに作ってもよかったのですが、加工工程を減らすために、金型のセット・調整を工夫することで、一発成形できるようにしました。
また、小さい割に硬い材料を使っているため、金型や芯金には大きな負担がかかります。
狭いスペースに精密なセッティングを行っているため、金型などツールの交換は、大変な作業となります。
そこで、芯金以外はすべて超硬を使用し、できるだけ摩耗せず、交換を必要としないように工夫しております。