ばねづくりは素人なのですが、試作を依頼するにあたり、注意点やお伝えしなければならない情報があれば教えていただけますでしょうか。
試作も、ただ「出来る出来ない」の判断を行うために作ってみるだけでなく、コストを抑えられるポイントを探したり、量産前提であればしっかりと市場コストと供給量に合うような量産体制を作れるような製作手法を検討したり、またばねだけでなく、それを取り付ける部品あるいは機械の性能評価の試験に使われる用途もありますので、試作段階で採用する材料のミルシートを手配したり、目的に応じて様々な観点をもって行います。
ですので、試作段階で大切なことは、「この試作は何のために行うのか」というゴールを明らかにし、そこに至る過程で付随する懸念事項をすべて取り払うことであると考えています。その懸念事項が大半はコストであったり、試用環境に耐えられそうか(試作の段階では大丈夫だが、いざ量産になった際に不具合が出たりしないか)という点になるのですが、そこがもし解消されない場合、設計を見直す提案をさせていただいたり、できるだけ早い段階で「現実的ではないかもしれない」という判断をすることもあります。
岩津発条では自動機で実現出来ない難加工を多く請け負っており、試作のご依頼内容も物理の法則が成立するギリギリのゾーンで試行錯誤を行う必要のあるものが多いため、「出来る出来ない」をクリアすることが最初の難関なのですが、たとえばそこで難加工をなんとか実現し「できた!」とするだけでよい試作(例えば大学の実験に使用されるような量産目的ではないもの等)なのか、それが職人魂に火をつけて完全手加工であれば出来るが量産目当てとなるとNGとなる試作なのか。私たちがお客様の求めるゴールを理解していないと、せっかく試作代をお支払いいただき時間をかけて納品した試作が結果的に無駄に終わってしまう可能性がありますので、多少お手間に思われるかもしれませんが、作り出す前にそういった背景からご相談いただけますとこちらもそれに寄り添った試作のご提案をさせていただきます。
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